Okayama Mind Kokoro
Okayama Mind "Kokoro"

岡山マインド「こころ」

 
私たちは倉敷地域で暮らす、心の「病」を抱えた当事者・家族の方々が安心して生活できる、支援体制とやさしい地域づくりを目的に、平成14年3月に設立したNPO法人です。
 現在、私たちの活動には大きく二つの柱があります。
 一つは当事者による自助・就労活動であり、精神障がいを抱えた私たちが自己実現できる世界を作ることです。障害者として「隠すもの」「与えられるだけ」の存在から、「仲間とともに」「ボチボチでも尊厳を持って」、自分たちの暮らしを作りながらゆっくりと活動しています。
安心して暮らせる拠点作りと、働きたい人には「障害年金プラス5万円」を目標に、まずは自分たちで就労の場作りを目指しています。
障がいを抱えた人は、地域で生きることの難しさに直面しています。病院から退院された精神の障がいを抱えた方々は、地域にかえされていきます。 その中で精神障がい者は「隠し、隠される者」「与えられるだけの存在」であったという歴史。障がいが理由で仕事を続けられないと「落伍者」扱いされるが「安心してさぼれる職場」が地域社会にないという実情。障がい者が気楽になれる場が地域になく精神障がい者に対する地域住民の理解不足が挙げられています。障がい者の家族の一番の不安は、親亡き後の彼らの生活についてです。 心の「病」を抱える当事者が安心して生活できるには、本人の力だけでなく地域住民の偏見がなくなり、理解があってはじめて実現できます。
その、大きな二つの難題に当事者自らが取り組みをはじめたのです。

居場所が無いなら



「居場所が無いなら作ろうや♪」
 「自立」は自分で決めるもの、障がいがあろうとなかろうと、一人ひとりが「当事者」としてありたい。「自分の障がいを隠さずにホッとできる場」「仲間とともに、ボチボチでも尊厳を持った暮らしを作る場」として、事務所兼店舗を自分たちで建てる事からはじめました。
心の「病」を抱える人が地域で暮らすためには、地域の人の理解が必要です。また、当事者が安心して暮らせる「グループホーム・ケアホーム」と無理なく働ける「地ビール工場」を設立するためには、資金も必要となります。
岡山マインド「こころ」は、それらを設立するための資金を自分たちで集めることができました。それは、当事者が自分の病を「隠さず」語り、周りの人々へ発信ができるようになった結果、岡山マインド「こころ」の取り組みに共感し、応援する人が増えてきたからです。

「語る」


当事者が「語る」力をつけるための基盤となった事業のひとつに、「テーブルまび」があります。精神障がいを持つ当事者を中心に、他の障がい当事者や家族、地域の住民、NPO関係者、行政関係者など誰もが集い、自由に話すことができる場。毎月一回真備町で開催されています。



平成17年3月からは毎月開催されている「くらしき三斎市や各種イベントにも出店し、商売のノウハウを練習しています。販売から会計まで全部当事者会員の手で行い、失敗しながらも実績を重ねています。ゆっくりしたペースを大切にしながらですが、着実に当事者活動として根付いています。また近隣の方の畑や山の草刈り、木の伐採など、すき間仕事をいただきながら少しずつ請け負い仕事の練習も行ってきました。これらの実績をもとに、平成18年度から新たな事業として「よろず請け負い事業」も展開しています。


 

梅雨前には近隣のみぞ掃除のボランティアをし、地域のまちづくりイベントにも参加し、公民館の花壇の花植えなどもしています。私たちの活動はゆっくりですし、無理はできませんが、私たちのありのままの姿を地域の中で見て欲しいと思います。

啓発・交流

 

「啓発・交流」事業として、平成16年、17年度は「マインド音楽会 新井英一ライヴ・インまび」と「マインド精神保健福祉講座」を二年連続で行ってきました。「マインド音楽会 新井英一ライヴ・インまび」は地元のホールを借り切って、約200名の市民の方々と新井さんの音楽を楽しんできました。新井さんは在日二世のブルースシンガーで、筑紫哲也ニュース23のエンディング曲で紹介された「清河への道~48番」が、日本レコード大賞最優秀アルバム賞を受賞した方です。私たちのお手紙に出演を快諾してくださいました。ポスターやチラシ、チケットなどの制作はもとより、ポスター貼りから当日の会場運営、販売コーナーやチケットのもぎりまで当事者会員中心に行います。

 

そして平成18年度は啓発・交流事業として、北海道浦河にある精神障がい当事者の「べてるの家」のメンバーの方たち(7名)をお招きして、「べてるの家・インまび」を6月3日、真備町のマービーふれあいセンターで開催し、約160名の方々と一緒に交流しました。会場には真備町の民生委員・児童委員の方々が研習と位置付けて参加して下さり、倉敷市社会福祉協議会の後援をいただいてボランティアの方々、他の障がい関係者の方々、そして精神障がい当事者や家族の方々も一緒になって、彼らの世界に出会い、学ぶことが出来ました。

 

私たちマインドのメンバーは、よく講演会にもお声掛けをいただいてます。講師依頼では、メンバーひとりひとりの歴史や体験、そして思いの一つ一つを言葉にして皆さんに語りかけます。そして、時には涙を、時には笑いを、時に歌い、語りかける姿は筆舌に語りつくせないものがあります。こうした活動の中で、マインドは地域の方たちとの交流だけでなく、さまざまな交流会や講演会などにも参加し、そうした中で当事者一人一人の生活や自信や思い、そういったものへの影響も持ちながら日々を送っております。


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